ハワイは昔から薬草の島でした。人が病気になると薬草とカラダを揉んだりさすったりすること(ロミロミ)で治療してきました。代々、伝統的な薬草医療の家系だったカイポ・カネアクア師は「薬草(ハワイのハーブ)は特別なものではない。自分に必要なものは自分の身のまわりにある、ということなのさ」と教えてくれました。お腹が痛くなったらそれを治してくれる草や木がある、頭が痛くなったら、怪我をしたら、元気が無くなったら…どんなときにもそれを治してくれる自然の恵みがあるのだ、と。このお話はそんな自然の恵みからウェルネスをいただく伝統の知恵のお話です。
楽園の島の智慧を自分のライフスタイルに取り入れて、気分も体調も爽快に過ごしてみませんか?
ママキ(Mamaki)はアンチエイジングな万能ハーブ
先の伝統薬草医(ロミロミの先生でもある)カイポ師は必ず別れ際にママキをプレゼントしてくれます。「体の調子が悪くなったらこれを飲め」と。自分の体調がすぐれない時にも煎じて飲んでいるそうな。ハワイで伝統的に言い伝えられているママキの効果をまとめると…
・成人病の予防や治療(血液をきれいにして血圧を正常に保つ。コレステロールを減らす、血糖値を下げる、など)
・利尿作用、解毒作用
・内臓の働きを正常にする
・疲労回復
ウェルネス・ヘルスコンシャスな大人たちにとって、ママキは夢のようなハーブなのです。
ハワイ大学の研究でも、ママキの葉には「カテキン」「クロロゲン」「ルチン」という抗酸化物質が他の茶葉よりも多く含まれていることがわかっています。
私たちは酸素を身体に取り入れてエネルギーを作って生きているわけですが、そのプロセスで一部が「活性酸素」になって増え過ぎると、体をサビさせてエイジングにつながっていく…という由々しき事態が起こります。「抗酸化作用」とはこの由々しき体をサビさせてしまう活性酸素を抑える働きのことですから、「ママキはアンチエイジングの救世主」とも言える万能ハーブでもあるわけです。
「カテキン」は、ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があり、また殺菌・抗菌作用や、体脂肪を減少させる働きを持つ成分として注目を集めています。
「クロロゲン酸」は、強力な抗酸化物質で、ダイエット効果、脂肪肝を予防する効果、糖尿病を予防する効果や抗ウイルス・抗菌・アンチエイジング作用があるとされています。
「ルチン」は、強力な抗酸化作用をもつポリフェノールのフラボノイド化合物の仲間で、ビタミンPと呼ばれており、心臓疾患や動脈硬化、高血圧など、生活習慣病の予防に役立ち、高血圧の改善や血糖値の回復作用があるといわれています。また抗細菌や炎症や出血を抑え、腰痛をやわらげるためにも利用されていました。
家庭の医学として、喉の痛みや咳を和らげるために飲まれたり、元気のないときの一般的な強壮剤として使用されたりしたそう。熟した果物は、子供たちの健康食(おやつ)としても食べられていました。
ママキとは、ハワイ独特のプラント
ママキはどうやらハワイならではの植物らしいのです。
ハワイでママキは、薬草としてだけではなく、樹皮などは植物から作る布の原料などとして使われ重宝されてきた植物でした。
ママキはハワイにしかない植物で、カウアイ島、オアフ島、モロカイ島、ラナイ島、マウイ島,ハワイ島すべての島で森や谷をハイキングすればすぐに見つけることができます。
“この変異種(広義では近縁の種を含める)は、縁が鋸歯状になった卵形の葉に基部から 3 本の主要な葉脈があり、裏面は薄い灰色または褐色で細い毛に覆われているのが特徴である。繊維性の樹皮は,タパと呼ばれる不織布の重要な原料とされた。
高さは最大 30 フィート(9 m),幹の直径は 1 フィート(0.3 m)の小さな樹木または低木で,長く垂れ下がる枝をもつ。
(中略)
かつてのハワイ人はこの自生樹木からタパまたはカパと呼ばれる不織布を作った。この布は衣類や寝具として利用された。長く丈夫な繊維から縄や紐が作られた。果実は家庭薬として利用された。若葉は美味な茶となり,気付け薬として用いられた。”
※出典:History and Nutritional Analysis of Native Hawaiian Mamakihttp://mat-co.jp/wp-content/uploads/2015/06/HNAofNativeHawaiianMamaki.pdf
ハーブティーでのいただくのがベスト
ママキは昔から主にお茶として飲まれています。葉を取ってきて乾燥させ、お茶にします。ハワイの薬草、というとかなるい苦くてクサそうなイメージはありますが、実際にはウーロン茶を薄くしたような味。クセのない飲みやすい味です。あまりにもクセがないので、レモングラスなどのハーブを加えて煮だしたりもします。(これはリラックスできてGoodな感じに仕上がるのでお勧め)。また、薬草として子供に飲ませるときには蜂蜜や砂糖(昔はサトウキビでかき混ぜた)を少し入れたりもしたそうです。
私のお気に入りはハイビスカス(ローゼル)とのブレンド。
仕事で疲れた時に、その香りと舌を淡くなごませてくれる酸っぱさがたまりません。
現在では様々なお茶と組合わせて多くのフレーバーブレンドが出ていますので、あなただけの「マキキブレンドティー」を探すのもいいかもしれませんよ。
※ここでのお話はハワイでの伝統医療にまつわる情報を集めて掲載しています。ハワイ大学などの研究で科学的に証明されている部分もありますが、ハワイ独自の(科学的には証明されていない)伝承も含まれています。薬効などについては証明されていない部分も多く、利用についてはみなさまのご判断と責任においてお願いします。